メディアバイアス(2007/07/18)
メディアバイアス
「メディアバイアス−あやしい健康情報とニセ科学(松永和紀著)」をお読みいただくことを
お勧めします。
「メディアの情報はある種の偏りが在るので注意するべき」という内容です。「あるある大辞典」
という番組で情報の捏造が問題となりましたが、その他の番組、その他の媒体でも基本的には
同様なことが行われています。「メディアは注目を集める」ことで広告収入を増やしたり、部数を伸ばしたり
するもので、「正確な情報を供する」為の動機付けは少ないものです。
この本をお読みいただくと、「誤解」に気がつく事柄があると思います。環境ホルモンについて、
「調査の結果問題なかった」ことを知らない方もいると思います。また、大豆(イソフラボン)は
体によく多く食べるべきと思う方もいるかも知れませんが、過剰摂取は勧めれません。
(農林水産省
:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A)
健康情報
健康情報には嘘や誇大表現が多くあります。添加物や農薬など「量」や「代謝」の視点を考慮せず
危険とする情報があります。適正な量を適正な用法で用いるなら、むしろ危険を減らすのに、
純度を上げ多量に動物に投与した実験結果で「危険」と誤解させるものです。また、特殊なケースを
一般的な情報とする場合もあります。
それはまた「○○は体にいい」という情報でも同様です。体に良くとも、適切な量でなければ「毒」と
なります。塩分が「体に必要」であると同時に「度を過ぎると悪影響」を及ぼします。
メディアは顧客のために
各メディアは、その主たる顧客が不愉快にならない様に情報を発信します。顧客が不愉快になると
次回には選択してもらえないからです。新聞も読者にとって不愉快な内容は書かない方向にあります。
その意味では情報は常に偏っています。メディアにとって、広告主も重要な顧客ですから彼らに
不利なことも書きにくいでしょう。
その偏りを認識することが、情報を正しく理解する為に必要です。
また、私たちに届く情報を理解するのに、知識の土台が必要です。社会の仕組みであるとか、自然の法則とか
そういう事を知っていないと簡単に騙されてしますものです。そして、今の世の中は生活していく上で
そういう基礎を知らなくても済んでしまいます。
メディアからの情報を鵜呑みにすることの危険を改めて認識したいものです。
補足
私は、この本を以下で知り読みました。こちらのサイトもお勧めします。
市民のための環境学ガイドの中の
記事(メディア報道2冊の本)
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